「卵」とコレステロール Topics

ゆでたまご

「脂もの」は太らない

  脂ものを多く摂ると太る―おそらく、そう信じている方も多いのではないでしょうか。そんなのウソです。でたらめです。脂質を摂取しても太りません。焼き肉とか、ステーキとか、揚げ物とか、油の滴るような料理を食べても太ることはないのです。しかも、多少摂りすぎになろうが健康に問題はありません。

 健康に関心のある人が「脂質」と聞いて、頭に浮かぶのはコレステロールと中性脂肪のことでしょう。「コレステロールの高い食品」を食べても、「中性脂肪の多い食品」を食べても、太ることはないし、これらの取り過ぎが健康に悪影響を与えることはまずないのです。

 まだ、信じられないという顔をしている人が多そうですね。では、順にご説明しましょう。まず、コレステロールについて。そもそも、コレステロールは、摂取した食事からつくられるのはたったの二割で、残りの八割は、肝臓で合成されています。

 しかも、コレステロールの六割を占めるLDLコレステロールには、血中濃度をチェックするモニター機能があって、常に一定量のレベルを保てるように設定されています。ですから、たとえコレステロールの高い食品を食べようとも、血液中のコレステロールが増えるようなことはないのです。もちろん太るようなこともありません。

 むしろ、食事によって体内にコレステロールをたくさん摂り入れれば、その分だけ肝臓工場の「コレステロール生産ライン」がひと休みできることになります。ですから、肝臓を休めるためにも、積極的にコレステロールを摂取したほうがいいのです。

 それに、コレステロールが私たちの体を守るためにさまざまな働きをしてくれているのは前章で述べた通りです。コレステロールの高い食品を摂ることに対して、何の躊躇もする必要はありません。

卵は一日何個まで?

 なお、コレステロールの多い食品としては、鶏卵がよく知られています。全卵の生卵には、60g(卵一個)中250mgのコレステロールが含まれていて、肉などと比べてもそのコレステロール含有量はダントツです。

 しかし、最近、欧米では、「卵は一日何個食べても大丈夫」ということになってきています。たとえば、欧米のホテルの朝食などでは卵料理が出されることが多く、一食で卵を二個使っているのが普通なのですが、この頃は卵三個入りを注文する人も大勢います。もちろん日本人も例外ではありません。

 わたしが新潟保健所管内住民8万1892人で調査した結果では、卵を週に0~7個、8~9個、10~13個、14個以上の群で比較しても、血中LDLコレステロールの値に差は見られませんでした。

 すなわち、卵をたくさん摂ろうとも、体内のコレステロールは一定に保たれているわけです。昔は「卵は一日に一個まで」なんて言われていた時代もありましたが、それは「コレステロール値と動脈硬化が結びつけて考えられていた頃」の間違った常識です。もちろん、そんな古い常識はもう忘れてしまって構いません。

(「100歳まで長生きできるコレステロール革命」大櫛陽一 2012/1/20より引用)

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