「脳出血(脳溢血)」が多かった理由 Topics

脳
 実は、戦後1950年代までは、脳卒中のうち、約90%が「脳溢血」だった。時代を下るにつれ、脳溢血は減り、脳梗塞が増える。70年代に入ると逆転し、90年代に入ってからは、脳溢血が10~20%で横ばい、脳梗塞は80~90%で90年代半ばから急に増加している。

 なぜ昔は、これほど脳溢血が多かったのだろうか?

 それは、戦後の日本は、非常に栄養状態が悪かったからである。今で言うと、難民のたくさんいる発展途上国並みで、とくに敗戦から数年は、食料を占領国アメリカの救援に頼っていたほどだった。

 栄養が悪いため、血管はもろく、高い血圧に耐えられなかったのである。

 また昔は、肉体にかかるストレスも強かった。農作業や土木作業も、今のように機械を用いず、ほとんど人力に頼っていた。火事も電化製品などなく、掃除や洗濯はすべて人の手で行っていた。

 血管がもろいうえに、強い肉体のストレスが加わって、たやすく血管が破れていたのである。そのため、脳溢血が多発していたのだ。こうして「高血圧=脳卒中で倒れる」というイメージが国民の間に広まったのである。

(「高血圧はほっとくのが一番」松本光正 講談社α文庫より一部引用)

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