がんと生活習慣病はリンクする Topics


 からだの中から生まれたがんは、その時点での体質と、生活習慣による現在の体調を明確にあらわす病気だといえる。体調は、日々の暮らしの中で蓄積してきたエントロピーの総量によって決まる。それまでに生きてきた生活習慣に加え、家系的な要因が複合的に絡み合うことでがんの発症に至る。

 がんの患者さんの血液を見てみると、いわゆる生活習慣病、つまり糖尿病や高血圧、脂質異常症(高コレステロール血症)などを持つ人の血液とオーバーラップする点が多いことに気づく。たとえばがんの患者さんには、悪玉コレステロールであるLDLコレステロールの値が高い人が多く、また血糖値が上昇している人も多くみられる。

 逆にいえば、これらの数値を見れば、その人ががんに強い体質かどうかを判定することができる。つまりこれらの生活習慣病的な指標が悪い傾向にいけば、やはりがんに弱い体質となり、これらの指標がいい方向に向かっているのであれば、がんに強い体質だといえる。とくに糖尿病患者の増加と膵臓がんの増加は相関関係にあるのではないかといわれている。

 このように、がんになるグループと生活習慣病になるグループは重複している。すべてのがんについて該当するわけではないが、とくに大腸がん、肝臓がん、膵臓がんなどを含む消化器系のがんや乳がん、子宮がん、卵巣がんなどの場合は、生活習慣病を持つグループと重なる傾向が非常に強いという印象を受ける。

 がんを予防するためには、いかに日常の生活習慣を健全なものにできるかということが重要な鍵となってくる。がんに影響を与える生活習慣の中でも、食生活が大きなウエイトを占める。

(「がんとエントロピー からだ力で立ち向かう」和田洋巳 2011.4.28 NTT出版より編集引用)

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