なぜ、季節の変わり目に調子が悪くなるのか Topics

自律神経の年内リズムと季節病

 自律神経は、健康なときにも、一定レベルに固定することなく、シーソーのようにいつも揺れ動くことによって、体の偏りを防いでくれる。その一つの例が、年内リズムである。言うまでもなく日本には四季があり、このせいで「年内リズム」という言葉も、我々日本人にはわかりやすい。

 自律神経の働きを変化させる大きな環境因子としては、太陽光の量や気温、気圧などがある。われわれのからだは、気温が高く低気圧の夏はゆったり型の副交感神経優位、寒くて気圧の高い冬は基礎代謝を上昇させようとして交感神経優位になる傾向がある。

 関節リウマチ、喘息、花粉症、うつ病、化膿性疾患など、いろいろな病気の発症頻度は、季節によって変化することが知られており、「季節病」などどいわれる。花粉症はスギ花粉が飛びはじめる2月から4月ごろ、うつ病も春先が多いようである。

 つまり副交感神経優位の状態でリンパ球が増え始め、アレルギーやうつ状態をつくりやすいのだろう。これを裏づけるかのように、関節リウマチや喘息なども、低気圧になる春先から初夏の季節に起こりやすいことが知られている。

春や秋の季節の変わり目と体調不良

 しかし、開業医の友人によると、〈秋には偏頭痛の患者が多い〉そうである。患者は例外なく手足が冷たいのが特徴でもあるという。一般に、痛みを感じるのは神経伝達物質の分泌がさかんなときで、副交感神経が優位となっているはずだが、この偏頭痛も例外ではない。

 それではなぜ偏頭痛が秋に多いかというと、これもやはり気圧が原因である。秋は高気圧で天気もよく、空気中の酸素も多い。体内に取り入れる酸素量が多いために交感神経優位の状態になるので、これにストレスなどの要因が加わると、人によっては過剰の交感神経刺激症状が出てくる。

 血管の収縮による手足の冷たさがこれを証明している。しかし、ときどき驚き反応も起こり、副交感神経優位が一時的にくるため、血管拡張により、脈拍に一致したずきんずきんという痛みがしばらく続く。これが偏頭痛の特徴である。

 このほかにも秋口には顆粒球が増えるため、中耳炎や虫垂炎のような化膿性疾患にもかかりやすくなっている。副交感神経優位の夏や交感神経優位の冬よりも、むしろ春や秋に異常を訴える人が多いといったほうが現実に近いが、これは自律神経の針が春には交感神経から副交感神経へ振れ、秋には副交感神経から交感神経へ振れる、その変動期に当たって、自律神経が過剰反応や揺り戻しを起こすためだと思われる。

(「病気になる体質を変える! 免疫健康学」安保 徹 2011.7.22 PHP文庫より引用)

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