エゴは永続する構造上の「不足感」 Topics


 エゴは、もっと必要だという欲求なしに長いあいだ過ごすことはできない。だからエゴを存続させているのは所有よりもむしろ欲望だ。所有がもたらす薄っぺらな満足はつねに、もっと欲しいという欲望にとって代わられる。ほんとうに必要なのではなくて、依存症的な要求なのだ。

 エゴの特徴であるもっと欲しいという心理的な要求、まだ充分ではないという思いは、場合によっては肉体的なレベルに移行していく飽くなき飢えとなる。過食症患者は吐いてでも食べ続ける。飢えているのは心であって、身体ではない。

 もっと多く欲しいという飽くことを知らない要求、つまりエゴの貪欲さは地球の資源とつりあいが取れない。このアンバランスさえなければ、地球上の全人口の食物、水、住まい、衣服、基本的快適さなどの物理的な要求は簡単に満たすことができるだろう。

 エゴの貪欲さは世界の経済構造、たとえばもっと多くを求めて争いあうエゴイスティックな存在である大企業などに集団的に現れている。「私に(me)」「私のもの(mine)」「もっと(more than)」「欲しい(I want)」「必要だ(I need)」「どうしても手に入れる(I must have)」「まだ足りない(not enough)」というような思考の形は、エゴの内容ではなく構造に付随する。

 自分自身のなかにあるこの思考の形に気づかない限り、それが無意識に留まっている限り、あなたのエゴは言葉を信じてしまう。無意識の思考を行動化し、見つからないものを求め続ける運命から逃れられない。

 エゴの構造がそのままある限り、あなたはどんな内容にも満足できない。何をもっていようと、何を手に入れようと幸せにはなれない。いつももっと満足できそうなほかの何かを、不完全な自分を完全だと思わせ内部の欠落感を満たしてくれるはずの何かを、探し求めずにはいられない。

(「ニュー・アース 意識が変わる 世界が変わる」エックハルト・トール 2008.10.25 サンマーク出版より編集引用)

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