コラーゲン(結合組織)の老化が内臓を硬くする Topics


 年齢が高くなるにともなって、皮膚・軟骨・血管壁などの組織はみずみずしさを失い、弾力性や柔軟性が低下し硬くなっていくことが一般的にみられる。赤ちゃんのやわらかい肌と、若い女性のつややかな肌と、そしておばあちゃんの肌を思い浮かべていただきたい。結合組織が年齢と共に変化していることは直観的にわかるであろう。

 結合組織の年齢に伴う変化の原因を探ってみると、いくつかの可能性が考えられる。まず第一に構成成分の割合の変化である。コラーゲンの量が相対的に増えていくことは、腱・皮膚などもともとコラーゲンがたくさん存在している典型的な結合組織でよりも、肝臓や心臓のように細胞のたくさんあるいわゆる実質臓器で重大な問題となる。

 このような臓器では細胞の数が年齢と共にだんだん減少し、それを埋めるようにコラーゲンの量がふえていくのがみられる。コラーゲンが増加すれば臓器全体が硬くなり働きにくくなる。また、細胞と血管の間に障壁ができることになる。血管から細胞に運ばれてくる栄養物のとおりがわるくなる。老廃物の運搬もまた同じである。

細胞には、その活動を調整するような化学物質、情報伝達物質が外から送られてくる。このような指令もいきわたりにくくなるであろう。このような事態になれば細胞の活動は弱められ、あるいは異常がおきたりする。死ぬ細胞が増えるであろう。細胞が死ねば、そこを埋めようとまたコラーゲンが合成され、たまってしまう。

 このように悪循環がおきてくる。これこそが老化の原因だと考える学者もいるのである。それに加えて一般に臓器の中で傷ができると、それを治そうとコラーゲンが生産される。たとえばアルコールの飲み過ぎで肝臓がいたんでくると、肝臓のコラーゲン合成がさかんになる。

 どういうわけか大抵の場合コラーゲンを少したくさんつくりすぎてしまう。傷口がもり上がるのは皮膚の傷だけではないのである。さまざまな原因によって体の中のいろいろな臓器には傷がいくつもできる。それを治すためにコラーゲンがつくられるが、いつも余計につくられてそれがだんだんたまっていく。

高齢になればなるほど当然傷あとが増えていくのである。このような傷あとの蓄積も組織を硬くし、柔軟性を失わせていくのに拍車をかけるとになる。

(「老化はなぜおこるか 若さを失わせるメカニズム」藤本大三郎 1984.9.20 講談社ブルーバックスより編集引用)

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