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ストレス かゆみ

 「イライラするとかゆみを感じる」という人は多い。本人は全く意識していなくても、頭や腕をポリポリと掻くクセがある人もいる。たとえば、アトピーを患っている子供に対して、母親が「あなたは来年中学受験なのだから、勉強しなきゃダメよ。さあもっと、勉強しなさい」とプレッシャーをかけ、それを本人がストレスと感じると、その子のアトピーは必ずといっていいほど悪化する。

 大人であっても、たとえば会社勤めの営業マンが、上司から「明日までに契約を〇本、必ず取ってこい」とガンガン言われると、アトピーがよりかゆく感じられるようになる。つまり、ストレスでかゆみを感じやすくなり、掻き壊してアトピーが悪化するということが実際にあるのだ。

 しかし逆に、その営業マンが家に帰り、ほっとしてネクタイをゆるめると、またしてもかゆくなることがある。先ほどとは逆の心境なのにである。これは、自律神経である交感神経と副交感神経が関係している。

 ストレスがかかっているときは交感神経が優位な状態、ほっとしたときは副交感神経が優位になった状態であり、まったく逆の現象である。しかしどちらもかゆくなる。つまり、かゆみは交感神経が優位な状態であっても、副交感神経が優位な状態であっても感じやすくなる。

 非常に精神的な影響を受けやすい感覚だということがわかる。それゆえに、このようなかゆみのコントロールは困難を極めるわけである。心が感覚に影響をおよぼすことは、「痛み」にも多少はある。たとえば、鈍い腹痛があるときに、楽しいことを考えてどうにか気を紛らわせていると、少し痛みが引いたように感じられ耐えやすくなることはあるだろう。

 しかし、ストレスが増したからといって鋭く速い痛みが、急にもっと強くなった、などということはないはずだ。やはりこれもかゆみの特徴といえる。かゆみは、ちょっとした精神状態の変化に、とても影響を受けやすい感覚だということである。

(「なぜ皮膚はかゆくなるのか」菊池 新 2014/10/16 PHP新書より一部引用)

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