ストレス反応2(視床下部―下垂体―副腎皮質系/HPA系) Topics


 セリエは、過剰な刺激に曝されることで生じる非特異的(汎性)生理反応として、HPA系のホルモンの分泌を指摘した。病原体や物理的ストレッサ―(震動や騒音など)、心理社会的なストレッサ―など、すべてのストレッサ―は同一の生理パターンを引き起こす、とセリエが主張したことはよく知られている。

 彼によれば、この反応は、汎適応症候群と呼ばれる3段階の特徴的なパターンを経て進行する。

 汎適応症候群の第1段階は、ストレッサ―の発生によって生じた要求に対処するため、生体が最初の生理的変化を示す警告反応期である。下垂体前葉は、副腎皮質刺激ホルモンを分泌し、これにより、副腎皮質が活性して付随するホルモン(コルチコイド、人体では主にコルチゾール)の分泌が促されるのである。副腎皮質から産出されるホルモンは、この段階で急速に増加する。

 第2段階である抵抗期には、ストレッサ―への完全な適応と、それに続く症候の改善や消失が起こる。抵抗期の段階では、コルチコイドの放出は高いままで安定している。

 最後の第3段階は疲弊期と呼ばれる。これは、ストレッサ―が非常に過酷なものであったり、身体的な防御をしきれなくなるなど長く続いた場合に生じる段階である。下垂体前葉と副腎皮質は、ホルモンを分泌する能力を失い、生体はもはやストレッサ―に対応することができない。この段階では症候は再び現われ、ストレス反応が軽減されずにさらに続けば、脆弱な器官(遺伝や環境要因によって決定される)は衰退する。この衰退によって、生体に疾患が生じたり、最終的には死がもたらされる。

(「ストレス測定法」シェルドン・コーエン他編著 1999/12 川島書店 より引用)

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