三大栄養素の相互関係 Topics

三大栄養素の相互関係(「帆とはおかしな肉食動物」より引用)

三大栄養素の相互関係(「ヒトはおかしな肉食動物」より引用)

 三大栄養素は代謝的には必ずしも独立のものではありません。動物には、摂取したタンパク質を消化によってその構成要素であるアミノ酸に分解し、それらを吸収する機能が備わっています。タンパク質はアミノ酸に分解された後、炭水化物、脂肪への返還が可能です。

 炭水化物は、アミノ酸のうち非必須アミノ酸のあるものに変換されることは可能ですが、必須アミノ酸に変換されることはありません。そのことと、「非必須アミノ酸は生体内で合成できるが、必須アミノ酸はできない」ということとはほとんど同じ意味を表しています。

 一方、脂肪は、食餌性のタンパク質、炭水化物、そして脂肪からも作られます。脂肪は水に溶けないので、細胞の中にそのまま貯蔵することが可能です。しかも単位重量あたりの貯蔵エネルギーが高いことから、動物におけるエネルギー貯蔵物質としては欠くことのできない物質です。

 しかしアミノ酸、炭水化物が代謝的に脂肪に変えられると、二度とブドウ糖には戻れません。そのために、脂肪は栄養素としてのタンパク質、炭水化物の働きを代替することはできません。三大栄養素はこのような関係にあります。

 したがって、三大栄養素のうち、炭水化物あるいは脂肪だけ食べて生きていくことはできませんが、タンパク質だけを食べて生きていくことは可能です。(もちろんこの時、ビタミン、ミネラルなどの微量栄養素が満足された条件であることが前提ですが)。

 哺乳類の原型的な食性が肉食であることは、このこととからも十分納得されます。

(「ヒトはおかしな肉食動物」高橋迪雄 2005.10.20第1版 講談社より引用)

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