体力の回復は低下時の数倍時間がかかる Topics


 「サルティン教授の寝たきり実験」は、1968年にコペンハーゲン大学のサルティン教授が発表した研究データです。サルティン教授はこの研究で、健康な人を5人選んで3週間ベッドの上で安静に過ごしてもらい、彼らの体にどんな変化があるかを調べました。

 いつも忙しくしている人々に「3週間、ベッドの上でゆっくり過ごしてください」とお願いするのだから、被験者たちはたぶん喜んだに違いありません。ところがその結果は、全員の酸素摂取量(その人が運動時に使う最大の酸素量)が日を追うごとに減少していったのです。

 中には最大酸素摂取量が実験前のほぼ半分までに減った人もいます。それ以外の検査でも、全員の心臓の容量が小さくなるといった、体にとって深刻な結果がでました。つまり、人はほんの数日から3週間、日常的な活動をやめて寝込むだけで、これほど体にマイナスの影響が出てしまうのです。

 この後、5人はトレーナーのもとで体力を回復させるための運動トレーニングを行い、約40日~60日かけて元の体力に戻っていきました。これと似たケースで、風邪や数日間寝込んで、やっと起き上がれるようになったら、一瞬足元がふらついた、という覚えがあるかたもいると思います。

 そうした経験のある方なら「体力が落ちるのは簡単。けれども元の体力に戻すには、その2、3倍の時間がかかる。とすれば、運動も一時的にするより、こまめに毎日続けるほうが良い」ということが感覚的におわかりになるのではないでしょうか。

(「歩き方を変えるだけで10歳若返る 世界が注目するインターバル速歩の簡単な始め方」能勢 博 2013.7.8 主婦と生活社より編集引用)

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