大きなストレスを自覚したあとは2、3年が勝負 Topics

 新陳代謝している細胞のうち、ある一定数の細胞は、調和することなく異常な動きをする。その数は1日あたり約5000個から1万個だろうといわれている。これら異常細胞は、通常であれば免疫の力などによって排除されているのだが、免疫力が落ちたりしたために生き延びてきたものががん細胞になる。

 がん細胞は正常な細胞と違い、果てしなく増殖する性質を持っている。だからミクロの世界では、がんのもとになる細胞は、具体的な症状があらわれる10年から数年前、最低2、3年前に生まれていると考えられる。

 はじめは比較的おとなしかったがん細胞の性質が次第に荒々しくなり、体内で暴れまわるまでにはそれからさらに数年を要するだろう。がん細胞を抑える免疫力だが、免疫だけでがんを抑えることができるのは、がん細胞数が数千個程度までである。

 これはがんの症状でいうと、極めて初期の段階であり、毎日発生している異常細胞の数とほぼ等しい。がんを発症した患者さんに聞くと、ほとんどの人が数年前に非常に大きなストレスを受けたという。ストレスは免疫にとって大敵であり、大きなストレスにさらされると、てきめんにがん細胞に対する免疫力が低下する。

 しかしどんな人であっても、生きていく中でストレスを避けることはできない。そういった意味では、誰しもがんの脅威にさらされているのだといえる。

(「がんとエントロピー からだ力で立ち向かう」和田洋巳 2011.4.28 NTT出版より編集引用)

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