減塩と低体温の関係 Topics


高血圧と塩分

 
「塩」が悪者にされてから、もう半世紀以上も経つ。約60年前までの東北地方の人々は、塩分の摂取量が1日28g程度と、鹿児島をはじめ南日本の人々の約2倍もあり、この過剰な塩分摂取が、高血圧、それに続いて起こる脳卒中(主に脳出血)の最大の要因だとして、東北地方を中心に減塩運動が始まり、やがて全国に展開されていった。

 今は男性8g以下、女性7g以下の塩分摂取量が望ましい、とされている。川の水は「2℃」で凍るが、海水は「約マイナス2℃」でやっと凍る。塩の含有カロリーは「0」であるが「2℃」の「温める力」があることがわかる。

 現代のように、暖房施設が整っていなかった往時の東北地方の厳冬の冬を乗り切るには、塩分の大量摂取が必要だったのである。何百年もの間に培われた、東北地方の人々の体験から生まれた生活の知恵だったのだ。

 もし当時の東北地方の人々が、大量の塩を摂取していなかったら、脳出血で倒れる何年も何十年も前に「体の冷え」から起こる風邪、肺炎、結核、うつ(よる自殺)などでもっともっと早死にしていた可能性がある。

 さて、塩分摂取を往時の3分の1以下に強要された東北をはじめ、全国の人々の血圧が下がったか、というと、そうした事実はない。現在日本に高血圧の人々は、予備軍を含めて、少なく見積もって4000万人弱、最大で5000万人くらいもいらっしゃる、という。

低体温は減塩と筋肉運動の不足から

 鼻水も涙も血液も、なめると塩辛い。人間の60兆個の細胞は、血液という塩水に浮いて生活している。そもそも、地球上に最初に誕生したアメーバ様の単細胞生物は海水の中であった。

その後、陸上に生物がはい上がってくるとき、海水と同じ成分を抱えてきた。それが血液である。よって、「血潮」とも言う。こうした事実を鑑みると「塩が健康に悪い」ということは、とても考えづらい。

 長年、「塩=悪」を唱えてきた西洋医学の中でも、「事実はそうではなかった」という疫学的調査や研究が、最近になって次々に出されるようになった。結論から言うと、「塩は無罪」なのである。

 それどころか、この50年で1℃も低体温化し、それによって免疫力が低下し、ガン、肺炎、アレルギー、自己免疫病、血栓症(脳梗塞、心筋梗塞)、うつ病・・など、種々の病気でもがき苦しんでいる日本人を救うメシア(救世主)になり得るのが「塩」である。

 なぜなら「低体温化」の最大の要因が「塩分摂取不足」と「筋肉運動(労働)の不足」なのであるから。

(「減塩が病気をつくる」石原結實 2017.4.15 青春出版社より編集引用)

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