炎症の終末像は「線維化」と「ガン化」 Topics

炎症とは

 免疫学・病理学という学問は「炎症」に集約されます。なぜなら、炎症の過程にすべての免疫反応・病理像が詰め込まれているからです。炎症という現象が歴史的にどう捉えられていたのかをまずみていきましょう。すでに紀元前に炎症の四兆候である「赤身、腫脹、熱感、痛み」がセルサスによって記載されています。

 二世紀にはローマの下界であるガレノスによって、炎症はダメージを受けた組織の修復過程であるという点(好ましい生体反応)が強調されました。そして、セルサスの炎症の四兆候に「機能喪失」を加えました。時代がくだり、十九世紀になると、病理学の父といわれるウイルヒョウによって、炎症部位にガン細胞が出現するという大変重要な事実が報告されました。

 この事実からウイルヒョウは、炎症は「病的過程」であるとしました。炎症は組織修復の修復に必要な過程であるという見方が現代でも大半を占める中、炎症は病的反応であるという卓見は、ウイルヒョウの最大の功績だと思います。

発ガンと炎症は同じメカニズム

 二十世紀には、ドボウジャックが「ガンは治癒しない傷」としました。つまり、ガンは炎症がいつまでも続く組織としたのです。実際に、発ガンと炎症は同じメカニズムです。細胞の増殖(細胞分裂)、血管新生、線維化、リーキーベッセル(血管漏出)、血栓傾向、白血球やリンパ球の損傷部位への侵入などが「ガンの場」と「炎症の場」のいずれの病気の場にも認められます。

炎症の終末像は線維化とガン化

 従来の教科書では、炎症は急性と慢性に分類されています。急性炎症は数時間~最大三日間で治まりますが、慢性炎症になると治癒するまで数週間~数年を要します。急性炎症を引き起こす誘因としては、感染、組織のダメージによる壊死、異物の侵入、過敏性反応などです。

 最初に起こる変化は、これらの細胞から放出されたエイコサノイド(多価不飽和脂肪酸〈プーファ〉から産出される)を代表とする炎症性物質によって、炎症部位での血管拡張とリーキーベッセル(血管漏出、血管から血液成分が血管外へ漏れる)です。これが炎症の四兆候の「赤身、腫脹、熱感、痛み」をもたらす原因です。

 急性炎症の終末では、ダメージを受けた組織の修復が行われます。しかし、糖のエネルギー代謝が回っていないと、組織修復に失敗するか、いわゆる慢性炎症状態に移行します。この場合の炎症の終末像は、線維化(組織の機能喪失)あるいはガン化になります。

 生命場のエネルギー代謝が回っていないと、急性でも組織修復がうまくいかず、慢性化することになります。したがって、炎症を急性・慢性とに分類することにあまり意味はありません。炎症自体(急性炎症であっても)が病的反応と捉えなおす必要があります。

(「新・免疫革命 免疫の本体は《お掃除》にあり」 崎谷博征 2018.6.26初版発行 鉱脈社より編集引用)

******************
★近日の測定イベント(自律神経バランス&血管年齢)のお知らせ★

詳細はこちら↓
https://profile.ameba.jp/ameba/jiritsushinkei-koubou

主催:自律神経バランス工房@メディカルシフト
http://medicalsyft.com/seikatsu/station/
******************