男性の脳と女性の脳の違い Topics

狩猟 採集

女性の脳は男性より加齢に強い

 年齢別にそれぞれの脳画像から体積を調べてると、男性の脳は20歳くらいから一定のスピードで体積が減っていきますが、女性の方は50歳ころまでは体積の減少がゆるやかであることが、私たちの研究からわかっています。

 女性は50歳を過ぎた頃になって初めて、男性と同じようなスピードで減少しはじめるのです。つまり女性は、女性ホルモンのエストロゲンが脳に対して保護的な働きをして、かなりの年齢まで体積が保たれるわけです。

 しかし、エストロゲンの分泌の少ない男性は、若い段階から脳の体積の減り方がけっこう早いというわけです。

その違いと人類の歴史的背景

 男性の脳と女性の脳を比べてみると、形や機能にも違いがあることがわかっています。脳の「前頭葉」や「側頭葉」という領域にある、言語を使う「言語野」というところの体積が一般に女性のほうが大きく、また「言語」能力も男性より女性のほうが高いことがわかっています。

 それは、人類の長い歴史と深い関わりがあると考えられています。何万年もの間、男性は狩りに出かけていた時代が長かったのです。川や海、山の地形から獲物の居場所を想定する。

 地形を考えながら獲物を追い込む。そして、かなり遠くまで出かけても無事に帰ってこられるなど、命をかけた狩りによって空間認知力が発達したといわれています。

 一方、女性は、男性が狩りに出かけている間、子育てをしながら家を守るために、隣人とお互いを助け合えるようにコミュニティを築くことが必要となり、社会性や言語能力が発達したといわれています。脳科学の立場からみても、この歴史的な背景は真実に近いといえるでしょう。

(「生涯健康脳」瀧 靖之 2015/6/23 ソレイユ出版より編集引用)

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