痛みは「記憶」される Topics

 外傷による急性痛のように、痛みは神経の圧迫や炎症の存在などが原因で起こり、そうした原因を物理的に除去すれば痛みはなくなり、機能障害の減少につながるという考え方が以前は支配的だった。

 しかし最近、原因が明らかではない痛みや、身体・画像所見に比べ痛みの訴えが過剰とも思える慢性痛などの存在が明らかになってきた。そこで、痛みには生物的因子、社会的因子、心理的因子があり、それらが相互に関連し、患者の痛みに関与していることを前提に診療を進める必要性が指摘されている。

 愛知医大の牛田享宏氏は、「痛みは脳で最終的に認知しているので、痛みには心理的な要因が大なり小なり必ず関与している」という。

 愛知医科大学学際的痛みセンター教授の牛田享宏氏は、「痛みは感覚経験であるという観点から考えると、痛みは“記憶”される。理論的には記憶されたものは消せないので、記憶される段階に至らないようにすることが大切だ」と説明する。

 例えば、こんな研究がある。過去に腰痛になったことがある人(腰痛経験者)に、他人が中腰姿勢で荷物を持つ写真を見せたところ、腰痛非経験者に比べ、痛みを感じる際の記憶に関与するとされる後帯状回で有意な脳活動が認められた。また、非経験者は写真を見ても痛みや不快感を訴えないのに、経験者はそれらを訴えることがあった。

 痛みが持続すると、神経の機能が活性化して神経過敏になったり、シナプスから伝達物質の放出が増える。つまり痛みの伝達が亢進する状況になる。その結果、通常は痛みを感じないレベルの刺激でも反応してしまうようになる。

(「痛みは先手を打て」2015.2.9日経メディカル記事より一部引用)

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