補酵素とミトコンドリア Topics

ミトコンドリア

補酵素とミトコンドリア

 解糖系によって代謝されてきたピルビン酸は、専用のゲートを通ってミトコンドリアの二重膜を抜け、マトリクス内に入る。ここでピルビン酸はアセチルCoAという物質に変換され、続いてこのアセチルCoAはマトリクス内でクエン酸回路によって代謝される。

 解糖系が使われるのはグルコースの場合だが、他の脂質やタンパク質にもそれぞれ代謝回路があり、最終的にはアセチルCoAになって、同様にクエン酸回路に入ってくる。

 クエン酸回路に入ったアセチルCoAはさまざまな代謝中間物へと変換されてゆくが、その過程で水素原子がいくつか引き抜かれ、二酸化炭素が放出される。

 引き抜かれた水素はガスとして放出されるのではなく、「補酵素」と呼ばれる物質群に吸収される。これらの補酵素はビタミンから合成されるので、ビタミンが不足するとエネルギー代謝はスムーズにいかなくなる。

コエンザイムQ10の役割

 コエンザイムQ10はユビキノンという名でも知られている。情報工学の分野でユビキタスという言葉を聞いたことがあるかもしれない。あらゆるところに遍く存在する、という意味でユビキタスネットワークといえばあらゆるところに情報ネットワークが張り巡らされて、いつでもどこでも情報に繋がる状態のことだ。

 コエンザイムQ10にはふたつの重要な役割があり、第一にはミトコンドリア内膜で電子伝達系のメッセンジャーの仕事を担い、そして第二にミトコンドリアだけでなくゴルジ装置や核膜など身体のあちこちに偏在して抗酸化作用を発揮するのである。

 近年になってコエンザイムQ10をサプリメントとして摂取することが流行しているのは、この第二の働きを補強すると考えられているからだ。

(「ミトコンドリアのちから」瀬名英明 太田成男 2007.9.1発行 新潮文庫より一部引用)

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