いい病院の選び方 Topics

治療実績のある病院・医師をしらべる

 名医かそうでないかを見極めるには、まずは自分の病気がどのようなもので、どのような治療方法があるのかを徹底的に調べることが大事です。そして、病気について基礎知識を身につけたら、次に調べるのは病院や医師の「治療実績」です。治療の場数を踏むことで技術が向上し、維持されるため、いい医師を見極める一つの指標になるでしょう。

 自宅や職場からの通いやすさを中心に候補施設を絞り込みがちですが、ぜひこの点にも注目してください。病院のホームページ上に年間の治療件数を公表している医療施設もありますし、インターネットや書籍・雑誌などで様々な角度から病院ランキングも発表されています。また、大事なのはいい評判だけでなく、インターネットで「〇〇病院、裁判」などとキーワードをいれて検索し、悪い評判がないか調べることも大切です。

設備、環境、看護師の態度は大丈夫か

 治療実績に加えて設備が整っているかどうかも重要な視点です。最新の医療機器が揃っているか、希望する治療を受けられる医療機器があるかなども事前に調べておくといいでしょう。ホームページでどのような医療機器があるかを公開している医療機関も多く、比較的調べやすいと言えます。

 もう一点、いい病院を見極めるうえで重要なのが病院の雰囲気や看護師の態度です。施設が古くても患者にやさしい雰囲気のいい病院がある一方、建物は立派だけで「患者を大切にしていないのでは」と首をかしげるような病院もあります。

 また、医療法律相談を受けると看護師のコミュニケーション力不足が原因でトラブルになっているケースが多く、看護師への不満を述べる患者家族が少なくありません。「ナースコールをしても来てくれない」「家族がナースステーションまで看護師を呼びにいったら担当ではないと断られた」「患者が危篤状態で心配している家族の前で看護師が笑い声を上げておしゃべりをしていた」「患者や家族に対し失礼な言動をとった」などなど、数をあげればきりがありません。

 逆に、患者にやさしく丁寧に接するなど、患者を大切にする仕事熱心な看護師が揃っている病院の場合、医療事故が起きても遺族から「本当によくしてもらった」と感謝され、紛争になりにくい傾向にあります。

医療事故時の対応のちがい

 医療ミスが起きて患者が亡くなったとき、多くの遺族が真っ先に望むのは真相解明であり、次に医師や病院の真摯な謝罪と、再発防止のための具体策であり、最後が適正な補償です。遺族は、なぜ患者が亡くなったのか、どのようにして亡くなったのかを知らされなければ納得できず、患者の死が受け入れられません。

 逆に医療ミスを起こしても、医師が遺族に事故原因を丁寧に説明して真摯に謝罪し、病院が適正な補償をすれば紛争は早期に円満解決します。最悪の病院の場合は、明らかな医療ミスにより患者を死亡させてもミスを認めようとせず、事故原因も説明せず、遺族に謝罪も補償もしません。遺族は事故後にも心無い病院の対応により2次被害を受けることになります。

 最悪の病院は、事故を隠蔽し闇の中に葬り去るため事故を繰り返し、患者の死が生かされることはありません。こうした最悪の病院は、医療事故の新聞記事を読み解くとすぐにわかります。新聞に時々、医療事故の記事が載っています。まずは事故発生日、患者の年齢、事故の内容を読みます。

 もし誰が見ても明らかなミスにもかかわらず、新聞記事に遺族が「損害賠償請求訴訟を起こす方針」「業務上過失致死容疑で刑事告訴も検討」などと書かれていれば、病院がミスを認めないで補償しないばかりか、病院側の遺族に対する対応がかなり悪いことが考えられます。

 病院がミスを認めて示談の話し合いが進んでいれば、遺族が裁判を起こす必要はなく、賠償額の折り合いがつかないだけでは新聞記事になりません。また、遺族は、医療ミスがあっても損害賠償請求するだけで、医師の刑事責任を追及することは通常ありません。

 「過失を憎んで人を憎まず」という遺族が大半ですから、「刑事告訴を検討」と記事に書かれていたら、病院側の遺族に対する態度が非常に悪かったことが読み取れます。人間のやることですから事故は起こります。しかし、大切なのは事故が起きた後にどう対応するかです。

 事故を起こしても補償をせずに遺族から恨まれるような態度を取る病院は、病院の体制自体に問題がある場合が多いです。こうした病院は、裁判に負けないカルテ作りや事故後の口裏合わせなど、事故を隠蔽する誤った方向に安全管理体制を敷いており、再発防止策を講じないため医療事故が繰り返されます。

 事故が起こるべくして起こる病院の典型といえましょう。医療法律相談でも頻繁に相談を受ける医療事故のリピーター病院がありますので要注意です。

大病院がいいとは限らない

 病院にかかるとき、漠然と大病院のほうがいいと思いがちです。確かに大病院は最先端の医療機器などを揃えており、症例数が多いので場数を踏んだ技術のある医師も多いでしょう。しかし、結論から言うと、大病院だからといって、医療ミスが少ないとは限りません。

 実際に私は医療法律相談で、ある大学病院の医療ミスの相談を何度も受けます。大学病院は教育を目的としているため、経験に乏しい医師が手術で失敗するなど医療事故数は比較的多いと言えます。すべての大学病院にそうした傾向があるわけではありませんが、一部の大学病院では繰り返し医療ミスが起きています。

 医療ミスを繰り返す病院の特徴は組織体質にあり、真摯に反省しないため、同じような事故が繰り返されます。これはミスを起こした医師個人のみならず、病院の管理体制にも問題があると考えられます。

 もうひとつ、大病院の特有の問題として、その分野の第一人者と認められるために症例数を増やして実績を作りたい医師が、患者に「簡単な手術」と説明して危険性の高い手術や新しい治療法を実施し、事故を起こしてしまうケースがあります。

 記憶に新しいのは群馬大学医学部付属病院の腹腔鏡下肝切除術で8人が亡くなった事件です。同病院は、事故調査報告書のなかですべてのケースで過失ありと判断したほか、術前、患者に十分なリスク説明を行わず、安全性・有効性が確立されていない保険適用外の高難度手術を実施する場合に必要な院内の倫理審査委員会への申請も行っていなかったと述べています。

 しかも、8個全例で死因解明のための病理解剖が行われず、診療科から病院への死亡事故報告もなされていません。図らずも、病院の安全管理に対する認識の甘さが浮き彫りとなりました。

(「医療事故に「遭わない」「負けない」「諦めない」」弁護士・医学博士 石黒 麻利子 2018.1.1初版 扶桑社新書より引用)

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