レントゲン検査と検診 Topics

レントゲン検査の由来

 肺がん検診で総死亡が増えてしまう理由の一つがレントゲン検査にあるのではないか、という指摘について考えてみたい。レントゲン検査で使われている放射線は、100年以上も前にドイツの物理学者、レントゲン博士によって発見された。未知の放射線であったためX線と名づけられたが、第一回のノーベル物理学賞を授与され、その栄誉を称えてレントゲン線と呼ばれるようになった。

 特徴は紫外線よりも遥かに短い波長を持ち、ヒトのからだを簡単に通り抜けてしまうことだ。それを感光フイルムに焼き付けたものがレントゲン写真で、特に健康診断や肺がん検診で行われる簡単な方法は胸部単純X線撮影(写真)ともよばれる。

 胃や腸の検査のようにバリウムを使うもの、あるいはコンピュータと組み合わせたCT(コンピュータ断層撮影法)など、さまざまな応用技術も開発されてきた。問題は、放射線がからだを通り抜ける際に遺伝子を傷つけてしまうことである。これが、ある確率で発がんの引き金となる。

 具体的な確率は長い間、不明であったが、最近イギリスで行われた調査で一部、明らかになった。イギリス国内では、すべてのがんの約0.6~1.8%がレントゲン検査によって引き起こされた可能性が高いというのである。

レントゲン検査と検診

 同国は、世界中でももっともレントゲン検査が少ないことで知られている。一方、世界中でレントゲン検査がもっともたくさん行われているのは、間違いなく日本である。CTの設置台数も世界一であり、また胃のバリウム撮影の件数も(正確な統計はないが)桁違いに多いのではないかと考えられる。

 試算によれば、日本ではすべてのがんの3.2%がレントゲン検査によるものだという。一方、レントゲン検査を擁護する人たちも多く、「胸部レントゲン検査で受ける被爆量は、自然界から一年間受ける量の10分の1以下」と、安全性を強調している。

 確かにこの数字に違いはない。しかし少量ずつの放射線に長い時間をかけて被爆する場合と、レントゲン検査のように瞬時に受ける場合とでは、発がん性に対する影響がまったく異なる。瞬時に放射線に被爆すると、活性酸素などが相乗効果で生成されるため、遺伝子に与える影響も格段に大きくなってしまうのである。

 集団検診や健康診断では、もともと健康な人がレントゲン検査を受けるものであるため、利益(がんの発見)は少なく、損失(発がん)だけが相対的に大きくなってしまう可能性が高い。事実、簡単な胸部レントゲン検査でさえも、損失のほうがはるかに大きいことが指摘されているのである。

 また、種々の調査データから私が試算したところ、レントゲン検査を原因とする肺がんの潜伏期は1~3年ときわめ短いものであることもわかった。タバコによる肺がんの潜伏期がおよそ25年であったことと比べれば格段の差で、遠い将来のはなしではすまされない深刻な問題となってくる。

(「がん検診の大罪」岡田 正彦 2005.7.25発行 新潮選書より引用)

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